第4回えがお絵画コンクール入賞作品展開催中


今年度助成金交付先のNPO法人里親子支援機関えがおさんの
第4回えがお絵画コンクール入賞作品展をベアーズの1階ギャラリースペースで開催中です。
NPO法人里親子支援機関えがおさんの申請のテーマは、
第5回えがお絵画コンクールです。
助成金交付後にえがおさんから第5回えがお絵画コンクールについていろいろとお話を伺う中で、多くの人々に、活動に関心を持ってもらえるように、まず、第4回の入選作品展を開催することを決めました。
元気あふれる、そして、見ている私たちが元気をもらえる、そんな作品がいっぱいです。
6月16日日曜日までです。

2024年度の助成金交付先を決定しました。


2024年度の助成金交付先を決定しました。
 

1.NPO法人里親子支援機関 えがお

【テーマ】第5回えがお絵画コンクール

[団体紹介]

里親にしかできない事、わからない事、悩みを、同じ経験をしてきた里親がサポートすることにより、誰よりも寄り添い、里親子みんなを「えがお」にしていきたい、それを目標に歩んでいる団体です。
様々な理由で社会的養護が必要な子どもは、全国で約4万5千人います。この子どもの養育を担っているのが里親と施設であり、里親に委託される子どもは全体の約2割とまだ少なく、里親になろうと思う人が少ないのが現状です。この現実を、私たち里親は、行政に任せるのではなく当事者として広めていく重要性を強く感じています。行政に依存しない里親による里親子支援機関「えがお」を設立し、里親会で培った60年の経験やノウハウを生かし「里親による里親子支援」を目指しています。

https://osaka-satooya.com

 

2.特定非営利活動法人つながりひろば

【テーマ】がん患者、心と身体をいやす農作業
     「つながりファーム」で、がん患者支援

[団体紹介]

つながりひろばは2017年11月に特定非営利活動法人として設立された、がん患者支援団体です。がん患者を支援する環境はずいぶん整ってきましたが、患者たちが抱える不安や悩み困りごとを相談できる窓口は、決して十分とは言えません。
本団体は、がんを体験した人たちが抱える不安や悩み、その体験を気兼ねなく自由に語り合える「場」を提供することで、自己と向き合い、これから歩むべき道を共に見出し、地域、社会の一員として生きがいを持って生活できる環境作りの実現を目指し、支援を行っています。いつでも、誰でも、自由に来訪できるように、毎日、朝から夕まで開所しています。がん種や治療施設を限らず相談の場を提供することでタイムリーにこの課題を解決すべく活動しています。

https://tsunagari.osaka.jp

 

3.ひといろプロジェクト

【テーマ】入院・通院中の患者・家族・医療従事者に、ケアにつながるアートの関わりを〜アーティストと協同し、地域のアートセンターと連携するホスピタルアート

[団体紹介]

私たちの活動は、患者との参加形のアートでアーティストと合作するところが特徴です。院外からも、アーティストだけでなく市民も巻き込んで、医療へのアートに取り組む私どもの独自の姿勢を大事にしています。
このホスピタルアートの活動を通して、社会でのアートの役立ちへの認知が広がり、支援や協力の輪が広がることを願っています。また、気分が滅入りがちな入院の方々についても、アートの参加で良い影響がおこりますよう、丁寧な協働をアーティストと重ねていきたいと思っています。
団体独自のスタイルのこの活動を継続し、一人でも多くの患者様に生きる意欲をお届けできればと思います。

https://www.hito-iro.com

 

4.つるはしにほんごきょうしつ

【テーマ】地域に暮らす外国人を対象とした日本語学習サポート事業のさらなる充実

[団体紹介]

出入国管理改正法が施行され、より多くの外国人人材の受け入れ枠拡大は評価できる一方、社会保障については課題を残し、受け入れ拡大に対応した日本語教育の拡充は目下の課題となっています。
当教室開催拠点の鶴橋は近年、中国やベトナムから来られた外国人住民が急速に増えている一方、日本社会との接点は少なく、日本にいながら日本語の無い暮らしをする者が多い状況です。言葉を知らないことで、日本での生活に不便を強いられることになりやすいことから、この地域に日本語教室を常設し、そこで無償サポートをすることで、地域に暮らす外国人が経済的負担なく参加でき、日本語能力の向上により、生活格差是正をしていけるよう、活動しています。

https://tsuruhashinihongo.wixsite.com/japanese

 

助成交付先団体の皆様とオンライン交流会を開催しました。(2023年開催記事)


熊西地域振興財団では、恒例となってきた助成交付先団体の皆様とのオンライン交流会を開催しました。

コロナの影響で、様々な課題が深刻になる中で、昨年度助成交付先団体にもお声がけし、近況報告や困りごとなどを共有しあい、アドバイザーから助言などをいただきました。

文化芸術系の団体や子ども・若者支援の団体、高齢者の居場所づくり等を行う団体など、様々な分野で活動する皆さんがお集まりくださいました。

当日は、ボランティアの募集の方法や口コミやチラシ作成など地域住民に対する効果的な広報発信について各団体が取り組まれていることについて共有が合ったほか、支援のはざまにある人たちのサポートについての状況共有や、不登校の子どもや保護者のためのポータルサイトについての紹介など活発な情報交換がなされました。
COCORON https://cc-cocoron.com/

また、子ども・若者や高齢者の居場所、夜の居場所づくりの実践についての話題についても盛り上がり、それぞれの分野で、つながりをつくろうと活動しておられる皆さんの取り組みに、勇気をいただく時間となりました。

参加してくださいました皆様、ありがとうございました。参加された方からは、こうやって横のつながりを作ってもらえるのはありがたいなどの感想もいただきました。来年は、ご期待の通り、対面での交流の機会をつくれたらと思っています。

【代表理事からのメッセージ】

今年も、交流会を開催することができました。オンラインでの開催でしたが、みなさんのお顔を拝見して、意見交換や活動で工夫されているところを共有できて、とても有意義な時間でした。お忙しい中ご参加くださった団体の方々、そしてアドバイザーの方々、ほんとうにありがとうございました。
参加された団体の事業は、全く異なりますが、活動する上で大切にされているところや困りごとは共通するところもあり、アドバイザーの方々に専門のご意見を伺ったり、みなさんと一緒に共感したり、工夫されているアイデアにヒントを得たりすることができました。また機会を設けて、今までに繋がりのできたさまざまな活動をされている団体の方々と時間を共に過ごし、情報を共有したいと強く思いました。
次回は、ぜひみなさんと実際にお会いして、開催したいと考えています。

2022年度助成金交付団体活動報告


しぶちー
https://shibuchi.com/

【テーマ】学校が苦手でも今を楽しめばいいやん~不登校・学校や社会と馴染めない子どもたちに輝ける居場所を~

活動の概要

  1. ①憩い(いこい):不登校状態にある小中学生が朝から通えるフリースペース型の居場所。
    参加人数:6名  回数:週3日  主な特別講座:論語教室・絵画教室
    憩いの企画:区民プール・ハロウィンイベント・建築ワークショップ・モーニング・ジオラマ走行体験・お花見・天王寺動物園遠足
  2. ② ドキドキつくり隊:引きこもりの状態にある小中学生の自宅に訪問し、プグラミングで遊ぶ活動。
    参加人数:3名  回数:1人あたり週1回1時間程度(1名は時々参加)
  3. ③ わくわく探検隊:シングル家庭・不登校の状態にある・敏感すぎる・友達づくりが苦手・家庭の事情等により体験の機会が少ないなど何らかの生きづらさを抱えている小中学生(高校生も可)を対象に、自然豊かな場所や面白い体験ができる場所でハイキングを行う活動。
    参加人数:12名  回数:月1回~2回程度
    ハイキング場所:箕面公園・カップヌードルミュージアム・むろいけ園地・私市(川あそび)・西猪名公園ウォーターランド・福知山廃線跡・柏原市観光ぶどうセンター・芦屋川ロックガーデン・京都鉄道博物館・鶴見緑地公園
    そして、しぶちー全体イベントとして、

    • (1) 天王寺動物園とコラボして2つの企画を実施した。

      【1】 動物園に子どもたちがレゴブロックで作った動物の作品を展示した。
      【2】 作った動物ブロックを子どもたちがコマ録りして動画を作りYouTubeにアップした。レゴブロックや動物が大好きな子どもたちにとって特別な体験として胸に刻まれるとともに、子どもたちの作品は動物園で人気となったため、1ヶ月以上延長して展示されることとなった。
      期間:7月29日~9月30日  参加人数:9名
      参加者内訳: 憩い/4名 わくわく探検隊/3名 ドキドキつくり隊/2名
    • (2) クリスマス会
      憩い活動場所にしぶちー参加者が集まって、人狼ゲームやボードゲームをしたり、チキンやクリスマスケーキを食べるなどして、子ども同士の交流を深めることができた。また、講師をお招きしてアイシングクッキーワークショップを開催。ツリーや靴下型のクッキーデコレーションを体験した。
      開催日:12月24日 参加人数:8名 参加者内訳:憩い/4名 わくわく探検隊/4名 講師:「NPO法人ゆるん」後藤様(女性や親子の支援を行っている団体)
    • (3) バルーンアート&高津宮トンド
      午前中高津宮でおこなわれている「トンド」(お札やお守りを焼く神事)に参加。
      トンドのお手伝いをされている地元の方々と交流を深め日本に古くからある神事を体験する貴重な機会を得ることができた。
      午後は講師をお招きして「バルーンアート」を体験した。保護者も参加して刀やお花・リラックマなど様々なバルーンアートに挑戦し、しぶちーに参加している親子に楽しい時間を提供することが出来た。
      開催日:1月15日 参加人数:子ども8名+大人4名=12名
      講師:「バルーン協会」浦田様+2名(子どもたちにバルーンアート体験を提供する団体)
今回の活動で一番良かったこと
しぶちーの子どもたち全体で交流できたことが一番良かった点だと考えています。なぜなら、学校に行く・行かない、発達障害の有無・両親が居る・居ない、よく喋る・大人しいなど多様な状況にあるしぶちーの子どもたちに、「人は皆同じではない。様々な環境の中で生きており、様々な特性や性格を持っている。」という事を感じてもらい、それが当たり前に受け入れられる居場所を提供したいという当団体の目的に沿った活動ができたからです。
天王寺動物園コラボ企画・クリスマス会などで初めて出会った「わくわく探検隊」と「憩い」の子どもたちが、「中学校ってここが大変よ!」「大きくなったら何をしたい?」など、地域や年齢を超えて会話する姿は微笑ましく、お兄さんお姉さんに甘える年下の小学生やそれぞれを受け入れてくれる中学生の子どもたちの関係は温かさに満ち溢れていました。
今後の展望・課題
引き続き、「体験活動」を多く取り入れていきたいと考えている。子どもたちが楽しい体験を共有し、仲を深め、「ここは自分の居場所なんだ!」という想いを強く持ってもらうことを目標にしている。また、他の子ども支援団体(中央区、天王寺区)と共同して活動を行っていきたいと考え、各地域の「子ども居場所連絡会」に参加し、連携を深めていく計画を立てている。ボランティアに関しては、「すぐに辞めてしまう」「度々休む」「子どもたちに受け入れられないためお断りした」という背景から人員不足という常に抱える課題を解決すべく有料のボランティア求人サイトで募集を開始する。「活動資金の調達」という慢性的に抱える課題を解消すべく不登校専用サイトを制作し収益化に向けて動いている。今年度中に十分な情報を発信でいるように形を整え、当団体が自立した活動を行なえるようにしたい。これからも『子どもたちの今と未来の幸せを支える』支援が行えるように心を尽くしていきたい。

財団よりメッセージ

しぶちーさんは、他の支援が受けられないお子さんの参加が多く、一人ひとりに寄り添えるように小規模の人数のため、資金面やスタッフの確保が大変だということを伺いました。
そんな中で、生きづらさを抱える子どもさんやご家庭に、一人でも多く居場所を提供したい、同じ悩みを抱える方々に情報を提供したいと、ホームページや、情報サイトをしっかりつくっていらっしゃって、寄り添う気持ちの細やかさ、大きさに、感心しました。
天王寺動物園とのコラボ企画の、レゴブロックで作った動物をコマ録りして制作した動画は、参加した子どもたちの楽しんでいる気持ちが伝わってきました。見ている私が微笑んでしまいました。

 
 

認定NPO法人D×P
https://www.dreampossibility.com/

【テーマ】学校のなかの「居場所」でコロナ禍で失われた文化的機会を提供し困りごとを拾い上げる支援につなげる

活動の概要

週1回、安心できる居心地の良い空間を学校の中につくります。ボランティア、地域の方、他団体のスタッフが訪れることもあり、高校生が定期的に様々な人とつながることができる場です。日々の会話から困りごとを拾いサポートにつなげ、生徒が卒業した後も社会のなかに居場所がある状態を目指します。
2022年度は年間で20回実施し、37人の生徒(全校生徒のうち92%)が1回以上利用しました。
生徒は雑談や相談、ゲームなど様々な過ごし方をしています。七夕やクリスマス、お正月といった季節行事や生け花体験など生徒の興味関心に合わせたイベントを実施しました。また、アルバイトや就職に関心がある生徒を対象に、半日で仕事体験ができる機会をつくりました。居場所に来た生徒のアンケートでは、「居場所がある日は楽しみに思える」「居場所を通じて話をできる大人が増えた」に100%の生徒が当てはまる・どちらかというと当てはまると回答しました。
今回の活動で一番良かったこと
就職やアルバイトに関する相談を生徒から受け、職場見学・職場体験につなげることができました。アルバイトをやってみたいがどんな業務内容が自分に合っているかわからないと話していた生徒は、飲食業に興味を持っていたこともあり、飲食店で接客やキッチン業務をを体験し、自分にあったアルバイトについて考えることを目的に職場体験に参加しました。体験前、接客業務については「できない」と話していましたが、体験終了後、生徒はスタッフとの振り返りで、「アルバイトをするなら接客をしてみたい」「今回、話しかけるのが遅くなってあまりうまくいかなかったから」と話しました。そして、後日、この生徒は、飲食店でのアルバイトを始めました。
今後の展望・課題
生徒が主役となる機会づくりの強化をしたいと考えています。
2022年度は生け花体験やカメラ撮影体験などの様々な企画を実施しましたが、生徒が主役となり、可能性を発揮できる機会を更に作っていきたいと考えています。そして、今後も生徒ひとりひとりが安心して過ごせる環境や、興味・関心のあることに挑戦できるような機会づくりをしていきたいと考えています。

財団よりメッセージ

コロナの感染拡大により、居場所事業の活動の縮小や一時中止を余儀なくされ、いつも生徒たちにきめ細かく寄り添う活動をされているD×Pさんにとっては、活動が難しい期間だったこととお察しいたします。しかし、10代にとって人とのつながりが得られる環境があることが大切だと考え、活動を継続されてこられた、行動力、組織力の力強さに私どもが元気をもらいました。これからも生徒たちひとりひとりに寄り添った環境づくり、機会づくりを頑張ってください!

 
 

特定非営利活動法人こえとことばとこころの部屋
http://www.cocoroom.org/

【テーマ】釜ヶ崎芸術大学2022~忌避された街で記憶をつなぎ、経済モデルを超える持続可能な活動のあり方を見出す

活動の概要

釜ヶ崎芸術大学2022を実施。延べ77講座を開催し、1443名が参加した。
「詩」「合唱部」「俳句部」「夜回り」「地理」「狂言」「感情」「音読」などの他、お盆や年始年末には恒例の「書」や「合唱」のステージ、「大掃除」や「かるた大会」を実施した。
また、2022年度の主要テーマとした「釜ヶ崎アーツセンター構想」は、あいりん労働福祉センターの建て替えにより、施設の一部を「釜ヶ崎アーツセンター」とするべく構想を立ち上げたもので、釜ヶ崎内外の人々と話し合う会を複数回開催し、「はたらく×アート」という一つの仮説に辿り着いた。
スタッフ不足や体制の不安定さが課題であり続けるなか、「はたらく」を扱った講座「呱呱の声⇆人」を継続し、参加者それぞれが「はたらく」を省みる場になっている一方、今後を見据えた事業承継を考えていく講座を立ち上げ、承継の可能性を探りながら、この場の社会的意味性を改めて浮き彫りにする取り組みをおこなった。
大阪大学との協業プロジェクトKamaHanでは地球全体を循環させる重要な役割を粛々と果たす蜜蜂に焦点を当てた講座をシリーズで開催した。また、2017年から続けているアミーキティア管弦楽団との協業「音楽とことばの庭」はラヴェルのボレロと盆踊りと連歌を重ね、日常に照らしあわせた実験的なクリエイションをおこなった。前年に続き、2022年度もStudy:大阪関西国際芸術祭の招聘を受け、大阪のオフィス街船場で展示をおこない、展示にちなんだ講座や定例の講座を会期中に頻繁に実施した。
今回の活動で一番良かったこと
2022年度の主要テーマ「釜ヶ崎アーツセンター構想」を構想し、講座を通じて釜ヶ崎内外から意見を聞き考察を深めていくうち、あいりん労働福祉センター後継の施設内の釜ヶ崎という日雇い労働者の街のアーツセンターとして「はたらくとアート」というコンセプトをつかむに至った。これは、元労働者の参加で彼らが自分の言葉で語ってくれたことも大きい。
具体的なはたらく×アートのプランを考え続け、提案していきたい。
1月~2月の芸術祭では、元労働者の作品も特別展示し、なかなか芸術性の面で作品を評価されてこなかったが、作家として扱われたことも大きな進展であると感じている。
秋頃からは、ドイツ、韓国、インドネシアからリサーチャーが訪れ、海外でも当方の活動に高い関心を持ってくれていることがわかり、20年続けてきたことが遠く伝播していることは大変な励みになっている。
今後の展望・課題
元労働者の高齢化と釜ヶ崎の街の変化などにより、釜ヶ崎芸術大学の役割も変化してきた。災害の頻発や感染症の蔓延、戦争の勃発、対立など、人々が委縮を余儀なくされる社会情勢のなかであるが、自由と信頼、思いやり、朗らかさを持って活動する場を作り続けることを展望し、小さくとも社会の役割として存在していき、社会と人々の関わりをアートを通じて作り出し続けたい。
一方で、2022年度で10周年を迎え、活動期間が長くなると助成金を受け続けることが難しくなる。とはいえ、受託している事業でもなく、運営は金銭的にも組織的にも不安定なままである。助成を受けられずに受益者に高額な負担を求めることが良いのか、カルチャーセンターではない特徴と価値基準を持つ市民大学として、今後どのように運営し、事業を継続していくかが、大きな課題である。

財団よりメッセージ

2月10日の朝のテレビニュースで、代表の上田さんの活動風景を偶然見ました。
ひとりのおっちゃんが図書館に通い、作り方を調べて制作した空き缶からくり人形は、材料、モチーフ、仕掛け、すべてユニークで、すばらしかったです。
アートのきっかけが釜ヶ崎芸術大学であり、ここで上田さんとの出会いを通して、生きる場所がみつかったという話にこえとことばとこころの部屋さんの活動の本質を見ることができました。また、運営されているカフェのトイレ掃除を日課にされているおっちゃんの話には、こえとことばとこころの部屋さんの活動への思いが伝わってきました。多くの人が関わっていけたらいいなと思っています。

 
 

堺国際市民劇団
https://sksg2019.wixsite.com/sksg

【テーマ】インクルーシヴ演劇ワークショップと公演「さかいものがたり」によるセーフスペース作り

活動の概要

インクルーシヴ演劇ワークショップと「さかいものがたり」公演を行いました。
さまざまな障害を持つ人たちや、外国籍の市民、子供から若者、現役世代、シニアまでそれぞれ背景が違う人々と演劇ワークショップを行うことができました。
舞台経験についても、まったくの初心者から、久しぶりに舞台に立つもの、プロとしての活動を目指してるものが含まれていました。
12月の公演を踏まえ、9月にはミャンマー応援企画として「民衆の歌」ミュージックビデオの撮影参加や、弊劇団が主催/堺市が後援する「堺水掛祭~ミャンマー平和の祈り~」での舞台参加を行うことで経験を積むことができました。
参加人数:12名 回数:14回
会場:堺能楽会館、豊中文化芸術センター、蛍池公民館、西九条第五振興町会など
今回の活動で一番良かったこと
ワークショップでは、参加者の個性の違いを踏まえて、田村花預先生(Theatre Group GUMBOの代表)は、海外のアートセラピーの考え方を取り入れ、障がいも個性ととらえ、舞台の上での強みにしていく指導をされました。自分らしさが活かされていく体験というのは、多くの人にとってこれまでになかった楽しく興奮する経験でした。
参加者それぞれの個性的な創造性を能舞台で発揮できたのが、まず一番良かったことです。そして、公演後のアンケート等での感想を拝見すると、こちらの伝えたかったメッセージがお客様にしっかりと伝わっていることが見て取れました。当事者によるパフォーマンスだったということもあり、お客様の中にもいた当事者や当事者の家族、施設のスタッフがより響いたのかもしれません。そうした人たちにエンパワーメントできたことも非常に良かったことでした。
今後の展望・課題
公演終了後、障がいを持つ当事者や家族から、自分たちも公演に参加したかったという声が多く聞かれました。また、観劇に行きたかったが、介護者が手配できずに断念したという声も多くきかれました。
今後の事業展開は、こうした声を踏まえて2つの方向性へと発展させます。
ひとつは、今回の事業と同様の建付けで、インクルーシヴ演劇ワークショップと公演を組み合わせたもの。もうひとつは、もっと身軽な構成で小さなショーを出張公演するというものです。お客様がやってこられないのなら、こちらから行こうと思います。
現在、福祉事業所などと交渉し、イベントでの公演などを調整中です。

財団よりメッセージ

招待していただき、素晴らしい能舞台の、堺能楽会館で観劇しました。
様々な背景の違う方々が舞台に立たれ、熱量あふれる舞台でした。
指導された演出家の田村先生のアイデアにより、出演者それぞれの自分らしさがより活かされていて、まさにインクルーシブ演劇の大切にされているところを見事に表現されているのを実感しました。

 
 

北芝まちづくり協議会

【テーマ】地域のささあえあい風土醸成を目的とする「地域のランドリー」事業

活動の概要

北芝団地および周辺地域の住民を対象とした、洗濯や繕い・アイロン等ができる地域のランドリー事業と食の取り組みとを合わせて実施した。
当初は地域のランドリー事業を先行して行う予定にしていたが、月に1回実施している集会所活用検討委員会のメンバーと相談をし、やはり食の取り組みも合わせて実施することで立ち寄りやすくなるのではないか、という意見がでたことから、4月の開始時から緩やかに食の取り組みと掛け合わせて取り組みを行なった。食の取り組みは北芝団地住宅利用者組合長を中心に、第2水曜日を食事も取れるサロンの日として開放し、朝こどもたちが学校にいく前の朝食提供や洗濯ついでに軽食がとれるような場とした。また、第4水曜日も簡単な飲み物と軽食がとれる場とし、コロナの影響も考慮し分散して立ち寄りやすくする工夫を行なった。
地域のランドリー事業は、北芝団地住宅利用組合が発行する月間のお知らせに掲載をしてもらう他、民生委員や北芝団地利用者組合長、事業アドバイザーとも相談をし、ニーズがありそうな家庭へのアウトリーチも行った。家庭によっては、高齢や障害といった理由から、集会所まで持ち運ぶことが難しい家庭もあったため、訪問して受け取り・配達等も行なった。また、活動の担い手として、就労をしていない若者や地域の元気高齢者への声かけを地域の方と連携をして実施した。地域のランドリー事業としては、年間計44回(4月、5月は月に2回、6月以降は月に4回)開所し、そのうち食と掛け合わせた地域のランドリー事業としては計24回(月に2回)の実施、累計参加人数は384名となった。また地域のランドリー事業として洗濯機を利用した回数は累計36回であった。
今回の活動で一番良かったこと
食と組み合わせて事業が行えたことで、参加の敷居が低くなり他の活動には中々顔を覗かせない住民も緩やかに来訪するようになった。また食事や休憩をしていながら洗濯機が回っている様子が眼に映り、会話の話題にあがっていたこともよかったこととしてあげられる。スタッフが声をかける前に住民同士の中で「洗濯ができる」「必要だったら家まで取りに来て、また運んでくれる」という口コミが広がっており、その時に地域のランドリーを利用していなくても、困った時にはここで洗濯ができる・頼れるという認識をもつことにつながっていたり、「実はこれが自分一人では洗濯できなくて・・・」という困りごとを聞くことにつながったりしたことも大きな成果だと感じている。また、活動の概要で述べたように、洗濯物を受け取りにいき、洗濯・乾燥をして家庭まで運ぶという取り組みを行ったことにより、生活の様子を伺うことができたり、困りごとについて話を聞くことができたりしたことはよかったことである。お届けをしたことで、日常では会えなかったその方のご家庭とも顔を合わせ、挨拶ができたこともあった。
今後の展望・課題
今回の取り組みの課題としては、担い手のまきこみが難しかったことがあげられる。声かけを行い若者たちと活動を行ったが定着まではいたらず、その背景には活動の時間帯が合わなかったことや、洗濯の作業が、わかりにくかったことが考えられる。
今後の展望として、担い手の若者たちが関わりやすい時間帯や活動の仕組み変更することを検討したい。
関わるどんな方でも方法がみてわかるような仕組みを作成することも考えており、これについては若者はじめ様々な人に意見をいただき、作成・試行していきたい。今回の助成による活動についてまとめ、北芝住宅利用者組合総会で置いて成果を共有し、活動への賛同の輪をひろげていきたい。加えて、洗濯の料金設定や協力者への謝礼金等についても財源の確保や試算等を進め、本事業を持続可能な事業にしていきたい。その際には、これまで関わっている住宅利用者組合長や民生委員の方、事業アドバイザー等にも継続して意見を拝受するのに加え、利用者側の意見も取り入れたものにしていきたいと考える。

財団よりメッセージ

地域住民を対象とした、洗濯や繕い・アイロン等ができる地域のランドリー事業と食の組み合わせ事業、なんてすばらしい着眼点なんだろうと感心しました。そしてとても興味深い事業だと思いました。年齢も家族構成も背景も違う住民の方へのアプローチを通しての地域のささえあい作りは、様々な方法が求められ、難しいのが一般的だと認識しておりました。しかし、北芝まちづくり協議会さんは、着実に事業を進められ、口コミにより認知度が上がり、今後に期待が寄せられていると思います。地域の課題について真摯に向き合われ、課題解決にむけて活動されていることに大変感服しています。

 
 

歌体操介護予防市民塾
https://suita-koueki.org/npo/utataisoukaigoyobou/

【テーマ】歌体操ボランティア養成と高齢者施設訪問活動

活動の概要

活動テーマは歌体操ボランティア養成と高齢者施設訪問活動であるが、2年間にわたる新型コロナ感染の拡大で全く活動できず、苦しい2年間であった。それでもできる範囲でボランティア養成講座は続けることが出来た。
歌体操ボランティア養成講座の内容
①一般市民を対象に歌体操ボランティアに興味がある方を募集
②歌体操市民塾の講師及び外部の専門の講師を招き歌体操の基本から教え、歌体操の楽しさも感じてもらえるようスキルアップしながら講座を進めた。講師料は外部講師のみ支払い、内部の講師は受講者との交流に努めた。
③5回シリーズを完了し、継続研修も実施したが、コロナの影響で一部断続的な活動となった。
④実施回数等
⑤何時もは30人近く応募されるのですが、令和2年度・3年度は3密を守る為15人限定とした。養成講座5回シリーズが終わって7月から継続研修会を実施することができた。
令和2年度…14回 外部講師‥7回  令和3年度…15回 外部講師‥7回
研修の内容はまず、準備体操・歌はコロナの為2曲に限定 深呼吸・指体操
基本体操 手指・上肢・全身・下肢▸転倒予防体操 ここまでが前半の体操。休憩を挟み後半はお楽しみ体操として立位体操・座位体操・脳トレ等を入れた体操をする。約2時間すこし汗ばむくらいの体操量になる。
今回の活動で一番良かったこと
受講者が大変熱心で、活動後のアンケートの感想にも書かれていたように楽しさや面白さを充分に受け取っていただけたことが、スタッフの方でも遣り甲斐を感じ更に前向きになった。
休憩時間でも受講者同士で練習をされていたことが印象てきであった。この調子なら高齢者施設でのボランティア活動が再開された時には意欲的な活動ができるだろうと感じた。今後とも引き続きボランティア養成講座に取り組もうと思っている。
今後の展望・課題
この2年間コロナの拡大に悩まされ、苦しい時期を過ごしました。それでも合間合間をうまく使って最小限の養成講座を行うことが出来た。高齢者施設への歌体操ボランティアが完全に断たれている中で、せめてその間ボランティア養成講座が出来てほっとしている。この時期ボランティアの養成が出来たことはコロナが収まった時の活動全開が待たれる。必ず効果出ると確信している。
今までコロナの拡大以前には吹田市民でボランティア養成を行い、高齢者施設へのボランティアをつづけてきた。2年間も十分な活動もできない時期があったが、熊西地域振興財団と相談の上、助成金活用の延長の見通しがたった。当団体として、助成金を有効に生かすために、活動を吹田市内だけでなく大阪全体に広げ、より多くのボランティア養成が出来るように展開しようと計画している。これは大阪府下7つの友好団体と連携し活動を行うものである。歌体操介護予防市民塾が主催し指導しながら歌体操によって多くの高齢者が高齢者施設で体を動かし心の体操も併せて行う癒しと安心な気持ちをはぐくむ活動が行えるよう活動を展開していきたい。

財団よりメッセージ

歌体操介護予防市民塾さんとの出会いは、2019年の助成金の審査で、2020年度の交付を決定したときに遡ります。助成金対象事業開始はまさに誰もが想像もしていなかったコロナのパンデミックでした。事業対象者は、コロナの感染で最も影響を受ける高齢者施設入居者。緊急事態宣言等で、私たちは経験したことのない行動制限と先の見通せない不安、恐怖を経験しました。活動の継続、どんなに大変だったことでしょう。当財団も大変心配していました。団体の活動が全くできない大変な状況下、すぐにご相談いただきました。この度の助成金対象事業が完了するまで、密に状況報告いただきました。特例として、助成金事業の延長を合意しました。
行動制限の中、試行錯誤の上、オンラインでの活動を始められたり、コロナ後を見据えて組織の強化を重視して行動されたり、多くの人が右往左往するなかでの素晴らしい活動の継続に心から敬意をお伝えしたいです。みんなが高齢者になるのです。だから、とても心強いと感じています。

2023年度の助成金交付先を決定しました。


2023年度の助成金交付先を決定しました。

1. 子ども子育て連絡会

【テーマ】コロナに負けない!地域における居場所と主体的な学びの機会づくりへの挑戦

[団体紹介]

主に、藤井寺市内の、ボランティアサークル、当事者団体、子ども食堂等のそれぞれの「点」の活動を、課題の可視化や、連携を推進するため「面」としての活動を目的とした連絡会です。
地域の中で、居場所を失った子育て世代の悩みや苦しみを聞く機会が増える中、民間のボランティアとして、子育て世代の、地域からの孤立化・孤独化を防ぐために行政や社協、関係機関との連携を強化し、子どもの主体的な活動を柱に課題解決を目指しています。

https://smile-f.info/

 

2. 守口市ジュニアブラスバンド

【テーマ】団体存続に向けた団員の確保 〜後援会設立による活動の活性化と会費高騰の抑制〜

[団体紹介]

吹奏楽という団体活動を通じて、子どもたちの育成に主眼を置いた活動をしています。
音楽のみならず、人とのかかわりあいの大切さを体得し、また、演奏会を通して、観客の皆さまと感動を共有し、子どもの感受性を高める。そして、演奏技術や音楽への知識の向上により、将来への様々な可能性を拡げることを目的としています。

http://moriguchi-jb.noor.jp/
 

3. 一般社団法人福祉サービスよってんか

【テーマ】高齢者の見守りを目的とする「地域共生食堂」事業

[団体紹介]

当団体の活動拠点が地域住民の高齢化、若年層の地元離れ、独居世帯の増加という課題を抱える中、「誰もが安心して暮らし続けられるまちづくり」を目指し、高齢者向けの朝活イベントや健康相談を行って、緩やかな繋がりをつくる場面を増やすことで孤立することのないまちづくりを実現したいと活動しています。

https://www.yottenka-ikoi.com/

助成交付先団体の皆様とオンライン交流会を開催しました。


熊西地域振興財団では、昨年度に引き続き、助成交付先団体の皆様とオンライン交流会を開催しました。
 

 
新型コロナウイルス感染の影響が長期化し、活動方法の模索が続く中で、昨年度助成交付先団体にもお声がけし、近況報告や困りごとなどを共有しあい、アドバイザーから助言などをいただきました。
 
基盤強化やボランティアやスタッフの確保に苦労していると困りごとを共有くださった団体には、「こんなサイトがあるよ!」「うちは動画を作ってみた!」など、他の団体で実践されたことの共有がなされた他、子どもの居場所を運営している団体は、活動形態を変化させオンラインで子どもたちに居場所を提供することとした、と教えてくださるところや子どもたちに幅広い体験活動としてカフェのオープンや動画作成などをされているご様子など、創意工夫で活動をされておられることを教えていただくことができました。
 
また、障がいがあるないにかかわらず、年齢や属性も関係なく、みんながつながり、共通の経験をすることの価値についてもシェアがなされ、より良い助成事業に向けたアイデアやリクエストなどもいただく、貴重な機会となりました。
 
昨年度は、皆さん苦労されながらもすごいなぁと感じ、活動を通じて地域を元気にしてほしいという期待を感じていましたが、団体の皆さんの活動があるからこそ、地域が元気になるんだという確信につながったオンライン交流会となりました。
 
以下、参加した財団関係者からのメッセージです。ご参加くださいました皆さま、ありがとうございました。
 
代表理事からのメッセージです。

オンライン交流会を振り返って

 今年も昨年同様、オンラインで交流会を開催しました。
 ご参加くださった団体の皆さん、ゲストの鵜尾さん、本郷先生、進行役の三島さん、どうもありがとうございました。おかげで大変有意義な時間を持つことができました。
交流会にお誘いしたのは、前年度と今年度の助成金交付先団体。一年ぶりにお顔を拝見でき再会が嬉しかったり、初めてお会いする団体の方々も、申請書を読ませていただいていることもあり、交流会で活動の様子を伺っていて久しぶりにお会いできたような感覚を持ちました。
コロナの感染がおさまらない状況の中、それぞれの事業は分野も内容も異なりますが、今まで以上に人と人とのつながりを大切にして活動を重ねていらっしゃることに感動しました。
活動を持続させていく上での工夫や抱えていらっしゃる困りごとなどを参加者と共有し、またゲストのファンドレイジング協会代表理事の鵜尾さん、NPOや公益法人の税務のスペシャリストの本郷先生のお話も伺いながら、参加者の皆さんと交流を持てたことは、大変意義深いことだったと思っています。また、参加者の方からの助成金活動についての意見は、財団にとりまして大切な気づきであり、今後の活動に役立てたいと思っています。
 これからも当財団は、人と人とのつながりを大切に、誰もが元気に暮らせる社会であるよう、お手伝いしていきたいと思っています。
 早く以前のように、一堂に会して交流会ができたらと思いますが、また来年もぜひ交流会を開催したいと今から楽しみにしております。

公益財団法人代表理事 熊西乃里子

 
 
アドバイザーのみなさんからのメッセージも届いています。

 誰も考えていなかったような状況が、誰も考えていなかったくらい長く続いています。
今回参加して下さった皆さんは、人と直接繋がって、人と一緒に行う事業をなさっている方ばかりだったので、このような状況に当惑して手詰まりになってもおかしくないはず。でも、皆さん、どんどん状況に対応して新しい事業を考えたり、新しいやり方を工夫したり、本当に、ひと時たりとも停滞していないということを実感しました。この数年で、その発想の柔軟さには更に磨きがかかったのではないでしょうか。
誰もが生きやすい柔軟な社会を実現する芽が、ここにあると感じました。素敵なお話しを聞かせて下さって、ありがとうございました。

本郷順子(本郷順子税理士事務所)

 

 交流会は様々な取組の成果や悩みを共有できてとても楽しかったです。
 ひとつひとつのとても大切な取り組みを聞くにつけ、心から応援していきたいと思いましたし、ぜひ一人ひとりに寄り添う活動を続けていただければと思います。
 私たちも助成金だけではなく、こうした交流機会などを通じて、地域をよくしようとする皆さんと長くつながっていきたいと思いますし、お互い応援しあう仲間としてともに歩んでいければと思います。

鵜尾雅隆

 

がんばっている仲間がいることを実感するオンライン交流会は、私にとっていつもあたたかく力強いエネルギーが湧いてくる場になっています。
活動分野はそれぞれでも、地域を元気にしたいという思いでつながっている皆さんとの時間はとても豊かなひとときでもあります。
コロナで大変なことが毎日あると思うのです。予定していたことができなくなることは、もはや日常のようになってしっていると思うのです。それでも、「大変だったんだよ」と笑顔で話してくださる皆さんから溢れるエネルギーが、やさしい未来をつくってくれるのだと確信しています。
これからも、一緒に、よろしくお願いします。

三島理恵

2021年度助成金交付団体活動報告


NPO法人西日本車いすダンスクラブ
http://paradance.club/

【テーマ】車いすダンスの普及による障がい者と健常者の共生

目的
障がい者と健常者が共に手を取って行うことができる車いすダンスを普及させることにより、障がい者と健常者が共に気軽にダンスを楽しみ、演技発表会や競技会を目標とすることにより、障がい者と健常者が分け隔てなく暮らしていける共生社会の実現を目指す。

成果
①初心者講習会を開催 堺市のファインプラザと京都のダンス教室にて、合計11回の初心者講習会を開催しましたが、コロナ禍の影響とホームページ等の告知に頼ったため、参加者が少なかった。

②会員のための練習会 主にイベントへの参加を目標に、ほぼ毎日行いました。10月16日の奈良県の夢フェスと、11月14日の京都木津川ダンスフェスティバルに向けて練習しましたが、参加は夢フェスのみになりました。

③レベルアップのためのダンス講師によるレッスンの受講 ダンスのプロによる初心者と会員のためのレッスンを5回受講しレベルの向上を図りました。プロからのアームワークや視線、表現方法などを学んだことは、車いすダンスのレベルアップにつながりました。  

また、令和4年3月20日には、群馬県前橋市で全日本車いすダンスネットワークの車いすダンスの講習会があり、そこに参加してレッスンを受講し、技術を磨きました。

 
財団よりコメントさせていただきます。

*NPO法人西日本車いすダンスクラブさんは、2020年度の助成金交付団体でしたが、誰も想像ができなかったコロナウィルス感染拡大により、大変残念なことに2020年度は、全く活動ができない状況になられました。練習をしたいという思いがありながら、活動ができなかったことは、本当に辛いことだったでしょう。
財団と西日本車いすダンスクラブさんとで話し合い、特例ながら、助成期間の1年延長を決めました。そして、2021年度は、まだまだコロナ禍で行動制限がある中、感染対策に気をつけながら、活動を再開されました。

 
 

任意団体プライドプロジェクト
https://www.pride-jp.com

【テーマ】10代20代中学生以上の悩みを抱えるLGBTsユース(かもしれない人)が、「居場所」を感じられる社会を実現する。

事業の目的
性的多様性に関わらず、すべてのユースが笑顔ですごせる社会を実現する。
性の悩みを抱えるユース支援コミュニティ事業を感染症流行状況に合わせて、オフライン、オンライン併用型で実施し、悩みを抱える性的多様性を持つユースに「居場所」を感じてもらう取り組みを行なっていく。

成果
・行政機関との連携、情報共有、教育機関依頼による勉強会の開催、メディア、ホームページ、SNS等で宣伝広告を行い、当団体の存在の周知力向上、認知度向上に努めた。

・コロナの影響が続く中、ユース向けオンラインでのコミュニティカフェを3回実施。オフラインでのコミュニティスペースは、4回開催した。

・オフラインでは、月毎にテーマを設定し、SNS、ホームページ、共済機関との連携によるチラシ配布による宣伝を行なった。コミュニティカフェの開催時間は、平均120分間。テーマに沿って自由に性に関する悩み、学校、家庭での悩みを当事者同士でシェア、意見交換をしたりと活発な様子が多く見られた。ユースのリピートも期待できる「居場所」としてのコミュニティスペースとなった。

感想
広報活動には、依然として課題のある部分が多く、ユースが利用するSNSなどに合わせた宣伝方法、デザインの洗練等を検討していく必要があると感じた。又、性の悩みを持つユースの多くが利用することにハードルを感じているケースも多く、積極的な発信や継続的な活動を行う必要性を感じた。

 
 

特定非営利活動法人こえとことばとこころの部屋
http://cocoroom.org

【テーマ】釜ヶ崎芸術大学2021〜変わりゆく街で記憶をつなぎ、新たなであいをむすぶ

事業の目的
差別や偏見をもたれてきた釜ヶ崎で、立場や出自の差異をこえて、人々が安心して表現できる場を耕し、異なる意見であっても、正直な態度を認め合い合意形成していくことをこれからの社会で実現したい。

成果
人材募集プログラム“呱々の人”は、“釜ヶ崎オ!ペラ”の実施と何度も重ねた話し合いにより、スタッフやココルームに関わるメンバーが「正直に自分を表し、ココルームとはたらく」をテーマにそれぞれが取り組んでいく出発点になった。またそれらの取り組みから、かまぷ〜(釜芸サポートチーム)メンバーが複数人増えて体制が拡充され、組織の持続性を支える進展があった。組織としてはスタッフが全員新しくなり、施設名を「釜ヶ崎芸術大学」と改称したことも大きな転換点だ。

感想
釜ヶ崎では元労働者は高齢化し、死が非常に日常の近くにある。彼らがどう生きぬいてきたかを聞き取りながら、参加者とともにわれわれが“どう生きぬくか”に熟思を重ねている。「釜芸」という装置があることが外からの人たちの接点を作っていることを強く感じている。

課題
釜芸は10年継続してきたが、参加者に困窮者が多く受益者負担が望めないため、助成金頼みであった。寄付の呼びかけを行うことは努力しているが、今後スポンサー講座など、多様な資金調達を考えていきたい。

展開と展望
「あいりん総合福祉センター」の建て替え計画があり、そのなかに「西成(釜ヶ崎)アーツセンター」を構想する。釜芸での対話や講座をとおして、街の変化に対応し、この街の記憶や存在を、未来の社会を考えていく補助線としたい。
 
 

KADOMA中学生勉強会
https://kadoma1010start.wixsite.com/kadoma1010

【テーマ】門真の子どもたちがどんな家庭環境に生まれても学べる環境を

事業の目的
単なる勉強の場だけでなく、居場所としても機能するように心がけ、学力向上だけでなく、門真の子どもたちが多くの大学生と接することで、自身の選択肢や価値観が少しでも広がることを目指しています。

成果
緊急事態宣言発令により、当初計画していた5月末からの開催は、かないませんでしたが、6月末から3月まで活動を止めることなく開催することができました。市内の子ども食堂や居場所活動が休止をされるなかで、門真の子どもたちにとっては地域で唯一の居場所となりました。大学生ボランティアや生徒たちの感染対策へ協力もあり、灯りを消すことなく最後まで門真の子どもたちに光を当て続けることができました。

今年度は、多くの大学生ボランティアが参加してくれたことで、中3生には特にマンツーマンでの学習指導を行うことができ、また、年明け以降は、中学生勉強会として初めての「模擬試験」を実施、全員が志望校に合格するという大きな喜びを味わうことができました。

そして、大阪府内初の、令和三年度「未来をつくる若者・オブ・ザ・イヤー」内閣府特命大臣表彰を受賞しました。これまでの活動が評価され、ご支援いただいた方々はもとより、献身的に支えてくれた大学生ボランティアにも心から感謝しています。

感想
引き続き、「門真」に拠点を置いて活動を展開していきたいと考えています。今年度初めて、外出イベントとして、大学見学や音楽鑑賞を実施しましたが、生徒や保護者からの反響もよく、拡充を検討していきます。併せて、卒所した生徒(高校生)の学び場確保を重要と考え、卒所した生徒(高校生)も増えてきていることから、卒所後も「居場所」として活用してもらえるよう、高校生の学びの場を確保していきます。「大学生主導」を掲げることで、活動における柔軟性や学生自身のキャリア教育に繋がる一方で、入れ替わりが激しく、組織基盤としての弱さや、代表が府職員という本業がある中で、運営業務に追われる現状があり、規模を拡げることに限界を感じています。「持続可能な活動」として展開を続けていくための方法をしっかり考える時期に来ていると考えます。

今年度は、過去4年間で最も充実した活動を展開できました。厳しい家庭環境の多い門真の子どもたちではありますが、この活動に参加して、勉強以外にももっとたくさんのことを学んでくれたらと思います。これからも門真の子どもたちが日常的に大学生と出会える場を提供していきたいと思います。

 
 

一般社団法人にぎわい夢創りプロジェクト さのだい子ども食堂キリンの家
https://kirin-npo.com

【テーマ】コロナウイルス対策をした子どもの居場所創り事業

事業の目的・背景
世代、地域、国を超えた幅広い人々との交流、感動の共有を図れるプロジェクトを行い、地域の活性化と賑わいのあるまち創り、そして新しい文化の創造に寄与することを目的としています。今回の申請事業は、子ども食堂事業です。2017年7月に活動を始めた、さのだい子ども食堂キリンの家は、地域の子ども達の保護者が中心となって活動している子ども食堂です。月に5回の子ども食堂開催を通して、地域の子ども達に愛情を伝えて、子供の居場所創りを行うことを目的としています。子ども達はたくさんの愛情を受け取ることで、自己肯定感が高まり、自分を大切にすることができ、そして、結果的に他人を大事にすることにもつながります。そのためにも、多くの大人と接することができる居場所にしたいと考え、食事のできる場所、通える環境を整えてきました。コロナウイルスにより、かつて開催していた集会所での開催ができなくなりましたが、スタッフで話し合い、空き店舗のリノベーションを実施、新しい拠点で子ども食堂を開催できることになりました。コロナ対策として、学年別に分散して開催しました。

成果
125回の開催、合計参加人数2377名となりました。コロナウイルス感染拡大により、一時的に通常開催からお弁当配布に変更しながらも活動を継続しました。コロナウイルスの流行により、地域や学校での行事が少なくなり、子ども同士が仲良くなる機会、子どもと大人がコミュニケーションをとる機会がほとんどなくなってしまった中、子ども達から開催を待ち望む声を多く聞き、久しぶりに開催した日、子ども達の笑顔を見たときに、待ってくれていたことを実感しました。友達同士で誘い合い、参加人数は増加しています。食事を提供するだけでなく、子どもと積極的にコミュニケーションを図り、更に子どもと地域の架け橋になりたいと思います。

2022年度の助成金交付先を決定しました


2022年度の助成金交付先を決定しました。

1 堺国際市民劇団

【テーマ】

インクルーシヴな演劇ワークショップと公演によるセーフスペース作り

【団体紹介】

プロのアーティストがアートの力で地域の課題を解決するコミュニティアートを実践する活動を行っています。アートによってセーフスペースを作り、それを拡大させることで、社会に多様性を認める価値観を広げ、誰もが安心して過ごせる社会の実現を目指しています。

【ホームページ】

https://sksg2019.wixsite.com/sksg

2 ボランティア団体しぶちー

【テーマ】

学校が苦手でも今を楽しめばいいやん
〜不登校・学校や社会と馴染めない子どもたちに輝ける居場所を〜

【団体紹介】

「学校が苦手でも今を楽しめばいいやん」と言う考え方をもとに、不登校や生きづらさを抱えている子ども達の挫かれた心を癒し、楽しみや痛みなどの感情を共有し、長所に目を向け、勇気づけ、子ども自身のありのままの個性や特性を尊重し育むことに重きを置いた様々な活動を行なっております。

【ホームページ】

https://shibuchi.com/

3 認定NPO法人D×P

【テーマ】

学校の中の「居場所」でコロナ禍で失われた文化的機会を提供し、困りごとを拾い上げ支援につなげる

【団体紹介】

認定NPO法人D×Pは、社会課題である10代の孤立について、取り組んでいます。
どんな境遇にあったとしてもつながりを得られる状態をつくる活動をしています。
法人設立当初から「否定せず関わる」「ひとりひとりと向き合い、学ぶ」ということを大切にしています。10代の周囲に、この姿勢を大切にする人がたくさんいるような社会を作りたいと思っています。

【ホームページ】

www.dreampossibility.com/

4 特定非営利活動法人 こえとことばと心の部屋

【テーマ】

釜ヶ崎芸術大学2021~忌避された街で記憶をつなぎ、経済モデルを越える 持続可能な活動のあり方を見出す

【団体紹介】

釜ヶ崎は高齢化に伴い、インバウンドや大手・外国資本による再開発によって、街が変わりつつあります。そんな中で、釜ヶ崎の人々から「生きのびる知恵」を 学び次世代に伝えていくこと、分かち合うために人々が自由に「表現」しあう活動をしています。

【ホームページ】

http://www.cocoroom.org/

5  北芝まちづくり協議会

【テーマ】

地域のささえあい風土醸成を目的とする「地域のランドリー」事業

【団体紹介】

住民同士の繋がりの希薄化が急速に進んでいる箕面市萱野地域において、「地域コミュニティの再編」「誰もが安心して暮らし続けられるまちづくり」をテーマに、住民参加のまちづくり運動を推進する中で、住民の共有スペースである公営団地集会所を活動拠点とし、住民にとっての地域の寄り合い場になるよう様々な企画を催してきました。
そして、それらを通して、孤立することがない緩やかな共助の繋がりを持ったまちづくりを実現し、「お互いさま・助け合い」の風土を醸成することを目指して、活動しています。

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